黒い奥様映画社の華麗なるクロシネ通信
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頭のおかしな大人が綴る 映画のある美しい暮らし
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黒い奥様の告発の行方
ちきしょう、訴えてやる!どうも、マイナス富豪でサロンの馬鹿の黒い奥様映画社です。おもむろにダチョウ倶楽部の亡き上島竜兵氏のギャグで入ってしまいましたが、どういうことかと申しますと、映画史家の田中純一郎の『日本映画発達史』の映画解説が笑えるくらいに酷い!確かアタクシ、小学校6年生か中学生のころに単行本版で読んだのですが、文庫版で久しぶりに読み直すと、これがまー酷いったらありゃしない。本当にいい加減だ
ちきしょう、訴えてやる!
どうも、マイナス富豪でサロンの馬鹿の黒い奥様映画社です。
おもむろにダチョウ倶楽部の亡き上島竜兵氏のギャグで入ってしまいましたが、どういうことかと申しますと、
映画史家の田中純一郎の『日本映画発達史』の映画解説が笑えるくらいに酷い!
確かアタクシ、小学校6年生か中学生のころに単行本版で読んだのですが、文庫版で久しぶりに読み直すと、これがまー酷いったらありゃしない。本当にいい加減だなと。特に、特撮映画の解説と寸評が、世が世なら大炎上もの。
最初に気づいたのが、アタクシの愛してやまない映画『キングコング対ゴジラ』でありました。その作品解説がこれ。
「原子力潜水艦が北極海で見たキングコングを生捕りにして、おりから松島湾に上陸したゴジラと、富士山上で決戦をさせる」(原文のまま)
……キングコングとゴジラが、もはや『君の名は。』状態であります。
いえ、これマジですよ、マジで出版までしているんですよ。校正もへったくれもなく。文庫版でも変わっておりません。
まぁ、ゴジラは松島湾から上陸したのは確かですけど。
こうなると、『ゴジラ』の作品解説はどうなっているのかと気になって、ページをめくってみると、
「原始怪獣と放射能を扱った日本最初の空想科学トリック映画。興行は大当り」(原文のまま)
……なんか、まあ、そんな感じだわな、と。
『空の大怪獣ラドン』(原文は『ラドン』)
「空の大怪鳥ラドンが九州の炭鉱地帯で、地熱のため孵化し、日本をはじめ東南アジアを荒し回るという空想科学映画の色彩版」(原文のまま)
……東南アジアは台詞だけで、なんか当たってるような、何なのか。
『地球防衛軍』は比較的ましな解説なのですが、『宇宙大戦争』は、
「特撮もの」
のひと言だけ。もはや蒸着レベル。
『モスラ』
「怪虫モスラの東京襲撃を扱った空想科学映画。ラストは東京タワーに糸を吹きつけて繭を作りその中で成虫となったモスラが故郷の空へ飛んで行く。夏休興行でヒット」(原文のまま)
……かなり端折りすぎなうえ、小美人の存在をすっ飛ばしすぎ。
『妖星ゴラス』
「土星探検を扱った空想科学映画」
……土星探検へは行きますが、本題はそこではなく。
『モスラ対ゴジラ』
「大怪獣ゴジラと怪蝶モスラ。南海の孤島で決戦。興行ヒット」
……モスラはチョウじゃなくて蛾! 決戦場所も事実誤認。もしや、あのスチールだけで書いたな、奴めが。
『宇宙大怪獣ドゴラ』(原文は『ドゴラ』)
「宇宙螢、ヒトデのお化け、土蜂の大群などが地球を襲うトリックもの」
……クラゲならまだしも、ヒトデのお化けって、パイラ星人か? しかも、蜂の毒はドゴラの弱点なのに。こんなに芯外します?
『海底軍艦』
「ジュール・ベルヌの空想小説を翻案した特撮もので巨竜の活躍などがある」
……作品データには「原作押川春浪」って書いておきながら、そりゃないぜセニョール。
『フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)』
「原爆の地広島に突如身丈二〇メートルもある両親不明の怪童出現、それはフランケンシュタインの心臓を持った大男で、中国地方で家畜を食い荒らし人々を恐怖させていた。一方富士山麓から角兵器を持つ怪獣パラゴンが現われ、フランケンシュタインと大格闘の末、いずれも力尽きて地中にもぐる。日米合作で仕上げた空想怪獣映画」(原文のまま)
……「身丈二〇メートルもある両親不明の怪童」って? しかも「パラゴン」って誤字だし。角兵器も、ドイツ軍のヘルメットみたいに言われております。オチの説明も事実誤認。
『フランケンシュタインの怪獣・サンダ対ガイラ』
「フランケンシュタインがここでは二頭の怪獣として現われ、東京の真ん中で大格闘。仕掛けはおもしろいが話はつまらぬ」
……バッサリ。しかも、この時代に「ぬ」だぜ「ぬ」。
『大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス』(本文は『ガメラ対ギャオス』)
「大亀とコーモリの化けた怪獣の争い」
……身もフタもない。
『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ決戦!南海の大怪獣』(本文は『決戦!南海の大怪獣』)
「南太平洋の孤島に住む新案怪獣ゲゾラとガメーバの闘いを描いたトリック映画」
……おおよそ誤答率の高いであろう「ゲゾラ」はちゃんと書けたのに、カメーバを「ガメーバ」と書いたのは残念なり。で、ガニメはいずこへ?
あと、日本映画の紹介でこんなスゲーのがありました。
梶芽衣子主演の女囚さそりシリーズから第三作『けもの部屋』から。
「主演女優が、斬りおとした刑事の片腕を墓場の隅でカジっている場面などがある」
アハハハハハハハハ!
おお、外国映画もすごく杜撰なのがありました。
『2001年宇宙の旅』
「地球人が月から木星旅行に成功するが、地球に帰還するとルイ一六世時代に戻っていたという、時空を極端に超脱した空想映画を、シネラマと大音響で見せる。こけおどし」
……これ、絶対、キューブリックに半狂乱で怒られるやつ。翻訳して本人に送るのさえも憚られる寸評。難解な内容とはいえ、ここまで解釈が銀河系くらい遠すぎると笑える。
『猿の惑星』
「宇宙ロケットの月世界探検が世界的話題になっていた時の企画で、この映画では宇宙船がオリオン星座のある惑星に着陸し、そこは猿の支配する王国、という設定のもとに、特異の服装をした猿たちの社会が描かれ、着陸した船長チャールトン・ヘストンが、数々の奇怪な経験をする。大がかりな空想科学映画で、興行は大ヒット」
……「数々の奇怪な経験」って、これまた雑な。ラストシーンのところで寝てるな、これ。
とまあ、こんな感じの映画寸評ではありますが、なかには映画史にまつわるこぼれ話もあって、昭和45年の大阪万博の年に開かれた大阪国際映画祭のくだりでは、スウェーデン映画『私は好奇心の強い女』見たさに客が詰め掛け、大阪フェスティバルホール2700席がほぼ満席になった話が馬鹿過ぎて楽しい。そもそも2700人ものエロ人間が中之島に集結するなんて、いったい何を期待していたのだろう。超法規的措置でも行使されると思っていたのでしょうか。
最後に、『エクソシスト』のレビューも、かなりキテおります。ぜひ本書でご確認を。もはや正気の沙汰ではありません。では。]]>
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2022-06-29T21:22:16+09:00
黒い奥様映画社
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間違いだらけの黒い奥様
会社の後輩たちが競馬の話に興じていたので、「どれどれアタクシも競馬予想のお仲間に」と話に入ろうとしたものの、寸前で「あ、違う、『ウマ娘』の話だ」と気づき、慌てて手綱を引いた黒い奥様映画社です。道理でおかしいと思ったんですよ、えらい昔の馬の名前が出てくるので。ただ、この『ウマ娘』の登場キャラに「ロバノパンヤ」はいないようですな。ぜひ出してほしいものです、ロバノパンヤとテイエムプリキュア。ま、ウマ娘に
道理でおかしいと思ったんですよ、えらい昔の馬の名前が出てくるので。ただ、この『ウマ娘』の登場キャラに「ロバノパンヤ」はいないようですな。ぜひ出してほしいものです、ロバノパンヤとテイエムプリキュア。ま、ウマ娘にプリキュアは余計にこじれそうですな。あと、ピルサドスキーも設定の仕方がややこしそうだし。
さて、お話し変わって、最近の本で『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』が面白そうですな。いわゆる本のタイトルや著者名をうろ覚えで尋ねてきた実例と正解を照らし合わせた、福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」の出版化なんだそうで。ホームページへ行ってみると、事例が1000件を超えていました。
これは確かに間違えるわ、又吉直樹の『火花』を『花火』というのは。映画にも、打ち上げ花火のシーンが出てくるし。『八日目の蝉』を『八月の蝉』と間違うのも、あるあるある。
まあ、こうした覚え違いは本に限らず、映画でもままあるものです。
昔、大阪の映画館のオールナイト上映の手伝いに行っていたときの話ですが、ある日、入場口からやってきたお客さんがおもむろに問うに、
「ビートたけしの『血と肉』って、どこで上映してるの?」
……ま、『血と骨』ですな。焼肉食って精でもつけているのかと。ふと、「風邪ひいたら、肉食ったら治る」と根拠不明の養生訓を垂れていた会社の大先輩を思い出しました。
あと、柳楽優弥主演の『星になった少年』。千葉県にある「市原ぞうの国」の若くして亡くなった象使いの少年の生涯を映画化した作品ですけど、これがまた、話の内容と相まって覚え違いが甚だしい。アタクシはもちろん誰もが間違って覚えていたのが、
『象に乗った少年』
そのまんまです。もうひとつは、『象になった少年』というのもあって、これに至っては、映画のオチを言ってしまっていました。
それから、三協映画『地上最強のカラテ』も、『史上最大の作戦』とごっちゃになって、
『史上最大のカラテ』
となってしまったり。極真空手がドエラいスケールになりました。
そうそう、似たような映画タイトルの覚え違いもありました。例を挙げると、
『戦場にかける橋』と『遠すぎた橋』
『ミッドナイトクロス』と『カサンドラ・クロス』
『栄光への脱出』と『勝利への脱出』
『バニシング・ポイント』と『バニシングin60』
『ローズマリーの赤ちゃん』と『悪魔の赤ちゃん』
『悪魔のいけにえ』と『悪魔のはらわた』
『マイ・ボディガード』と『ヤング・ボディガード(=ジャッキー・チェンの飛龍神拳)』
『007 サンダーボール作戦』と『特攻サンダーボルト作戦』
『江戸川乱歩の陰獣』と『盲獣』
『他人の顔』と『俺の血は他人の血』
特撮映画界隈では、東宝の戦争映画『太平洋奇跡の作戦 キスカ』が、なぜか怪獣映画と間違われていて。なんせ東宝なものですから、「キスカ」が新怪獣だと勘違いされた模様です。
あと、寺山修司もエッセー『花嫁化鳥』の中で『ゴジラ対ガメラ』と、思い出にない思い出よろしく綴っております。
「渡り鳥シリーズ」の斎藤武市監督と『約束』『旅の重さ』の斎藤耕一監督のように、監督名の覚え違いもありますな。
昔、ある大学の映画研究部に所属していた友人から聞いた話ですが、映研の部員が加藤泰監督のことを、
かとう・うず
と読み間違えたそうです。
なんでどうして「うず」なのか。推察するに、京都の「太秦」からきているのかと。「泰」ではなく「秦」だし、そもそも「うず」の読みに該当する漢字は「太」だし。覚え違いもミックスですな。
これはアタクシのやらかしですが、小津安二郎監督の名作『東京物語』の出演者に金子信雄がいた、いないで、飲み会の席で言い合いになったことがありました。
今となっては恥ずかしい思い出です。何で勘違いしていたのかとあれこれ思い巡らすに、高校生のころに黒澤明の『生きる』で毛のある金子信雄を見たのがゴッチャになっていたことに行き当たりました。五十路になって気づくなんて、嗚呼無情。
それでは最後に、拾い画像ではありますが、こちらの覚え違いでお別れを。わっかるかなあ、わっかんねえだろうなあ(亡き松鶴家千とせの名フレーズを再生)。
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雑記
2022-03-12T09:33:46+09:00
黒い奥様映画社
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黒い奥様のちはやふる ―下の句―
望むのは世界の平和と熊退治 黒奥どうも、憂いの黒い奥様映画社です。えー、反響など何もない「映画DE短歌」ではありますが、下の句として洋画篇に参ります。こちらも2020年ごろにツイートしていました分から自選20首でまとめました。だうぞ。映画DE短歌 洋画篇夜半に寝覚む『惑星ソラリス』第2部のロシア文字 目に焼き付く後悔『アンドレイ・ルブリョフ』神の視点にてビー玉落とす 宇宙(そら)の漆黒今はなき千日前の弥生
望むのは世界の平和と熊退治 黒奥
どうも、憂いの黒い奥様映画社です。
えー、反響など何もない「映画DE短歌」ではありますが、下の句として洋画篇に参ります。こちらも2020年ごろにツイートしていました分から自選20首でまとめました。だうぞ。
映画DE短歌 洋画篇
夜半に寝覚む『惑星ソラリス』第2部のロシア文字 目に焼き付く後悔
『アンドレイ・ルブリョフ』神の視点にてビー玉落とす 宇宙(そら)の漆黒
今はなき千日前の弥生座の『レオン』の看板 下手過ぎて死ぬ
信濃そばのカレーうどんを啜る間に『アルマゲドン』は地球を救ひぬ
司会者の迷彩服が痛々し『エネミー・ライン』の試写会の夜
『ロッキー4/炎の友情』混み合いて 佳人の背(せな)がぬるりと触れる
「サヨナラ」と散る命あり『ロボコップ』 日本語探しの旅はいつまで
『クーリンチェ少年殺人事件』観終え 夏に苛つく歯痛の妻は
金曜の夕刊こそが映画館 墨色の中に『オーメン』白く
バス停の壁に貼られし『ヘルハウス』夜更けに浮かびトイレ遠のく
短きで馴染みし『ブルース・ブラザース』イリノイ・ナチを長きで知るを
マーロウを気取って猫と会話する負け犬の僕『ロング・グッドバイ』
無機質が横たふ路地に降り注ぐ『ブレードランナー』のやうな霧雨
おぞましき『悪魔のいけにえ』切れ切れの夢の続きを見たくないよな
『フルメタル・ジャケット』戦地に木霊する「ミッキーマウス・マーチ」の悪夢よ
古の戦いの怨み晴らしたる『2000人の狂人』の霊
『続・世界残酷物語』で流るるミルバの歌に包(くる)まるる吾
『残酷を超えた驚愕ドキュメント・カランバ』のCM 見る術もなく
『黄金狂時代』の衝撃 靴を茹で喰らう男の笑顔なるかな
名作を観ようと借りた『大脱走』観終えたころに昭和は終わりぬ
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2022-02-28T12:55:53+09:00
黒い奥様映画社
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黒い奥様のちはやふる ―上の句―
この間、ついにスズメバチを夢の中で見てしまった、人生三球三振の黒い奥様映画社です。もはや高校野球の9回2アウトで代打に立つ補欠3年生の気分です。どうやら凶夢なんですって、スズメバチの夢って。殺虫剤で殺そうとして、一匹だけ生きていて、頭を刺された感触が……。と、まあ、久々にブログをアップしてみれば、ほぼ映画のある美しい暮らしとは言えないありさま。ちょっと映画に寄せませう寄せませう。で、かれこれ2年ほど
どうやら凶夢なんですって、スズメバチの夢って。殺虫剤で殺そうとして、一匹だけ生きていて、頭を刺された感触が……。
と、まあ、久々にブログをアップしてみれば、ほぼ映画のある美しい暮らしとは言えないありさま。ちょっと映画に寄せませう寄せませう。
で、かれこれ2年ほど前になりますが、アタクシ、映画のタイトルを組み込んだ短歌を作って「#映画DE短歌」としてツイートしていました。邦画と洋画で120首ほど。映画のワンシーンを切り取ったものや、映画にまつわるアタクシの幼き日や青春時代の思い出などを詠んでおります。
今回は、少し添削して、自選集として載せておきます。まずは「上の句」として邦画篇から。
映画DE短歌 邦画篇
優作のOKサインは周五郎文学表す『ひとごろし』かな
雨降れば『キングコング対ゴジラ』炎天仰ぎ降れよ雨雨
夕映えの大海原に童顔のゴジラ背を向く『メカゴジラの逆襲』
灰色の水路に虚ろな青田成す『雷魚』のような田園風景
『青春の蹉跌』のメロディー緩やかに 日曜午後のかくも哀しき
林美雄てふ人の推す『八月の濡れた砂』より潮風の吹く
フィルムの齣に生き抜く居残りよ『幕末太陽傳』の煌めく
『浮雲』のゆき子の不幸も今はもう諒恕すらなき狭き世の中
真っ直ぐな者が馬鹿見る『仁義なき戦い』の中に闇が潜めり
『七人の侍』語る友の声 明けては暮れる若き日の血よ
空落ちる光の街の見えざるに美しく散る『薔薇の葬列』
『FULLMETAL極道』井上順のよな防御のポーズの無敵なるかよ
わが青春時代の空気詰まりたる『哀しい気分でジョーク』のたけし
『TAKESHIS’』の長さに終電乗り損ね 家まで歩く 空に綺羅星
変装や偽名のほうが強すぎて実体霞む『多羅尾伴内』
テレビでは読まれぬ『秘本むき玉子』語感の悪さにゆで玉子吐く
『コギャル喰い・大阪テレクラ篇』掛かる映画館の隣は地獄
【無限地獄三首】
焼きとんは中川信夫の創作と思ひ込みたる『地獄』は怖し
怖いかと思ひて観れば馬鹿を見る神代辰巳の『地獄』は悲し
悲しみの女優が閻魔で返り咲く石井輝男の『地獄』は熱し
次回「洋画篇」をお楽しみに!]]>
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2022-02-23T18:48:01+09:00
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パラドールにかかる黒い奥様
その昔、松竹映画『いとしのラハイナ』のアパッチけんと光石研の、どこがどう違うのかと悩みに悩んだ黒い奥様映画社です。……まぁ、単に別人というだけでした。しかも、アパッチけんの本名は「中本賢」でした。W浅野ばりの「Wけん」です。なっ!(「Wけんじ」の懐かしのギャグを令和になって程よく再生)アパッチけん、って聞いても、もう50歳から上の世代じゃないとピンとこないですよね(ちなみにアタクシ、もうそのレベルに
……まぁ、単に別人というだけでした。しかも、アパッチけんの本名は「中本賢」でした。W浅野ばりの「Wけん」です。なっ!(「Wけんじ」の懐かしのギャグを令和になって程よく再生)
アパッチけん、って聞いても、もう50歳から上の世代じゃないとピンとこないですよね(ちなみにアタクシ、もうそのレベルに到達しているんですのよ、オホホホ)。鈴木末吉、アゴ勇、佐藤金造、清水アキラとくれば、
ザ・ハンダース!
……5人なのに「半ダース」とは、これいかに? と思ったものですが、アタクシ、生まれも育ちも関西ですので、TBSの「ぎんざNOW!」なんてテレビ番組があったの知らなかったんですよ。だから、矢沢永吉がキャロルのメンバーとしてテレビに出ていたことも知らなければ、チャーも、レイジーも、クールスも、柳沢慎吾も、ラビット関根も、小堺一機も、吉村明宏も、竹中直人も、みんな何かしらの全国ネット番組で知ったわけでして。よもや、ザ・ハンダースは6人グループだったなんて、まったく知りませんでした。
アタクシの場合、大阪有線で耳にこびりつくほど流れ狂っていた『ザ・ハンダースの想い出の渚』で知ったクチです。あとは、亡きジェリー藤尾が家族で出演していた「笑って笑って60分」とかですね。
ザ・ワイルドワンズの名曲『思い出の渚』を、とんねるずの「二億四千万の瞳コンテスト」方式で物真似メドレーでつなぐ。ま、こちらがその原型でありますが、これ、確か清水アキラがポパイのモノマネをやっていました。ポパイのモノマネって歴史は意外と古く、ボーイズ芸の元祖「あきれたぼういず」の坊屋三郎にまでさかのぼります。
「水曜日のダウンタウン」でも紹介された、アントニオ猪木は鈴木末吉が起源だった、というのもビックリですな。エルヴィス・プレスリーのモノマネの起源がアンディ・カフマンという感じでしょうか。アタクシが子供のころに亡くなりましたからね、エルヴィスって。エルヴィスのイメージが、晩年のドーナツ食い過ぎモミ上げブーさんでフィックスしてしまっていて、『ブルーハワイ』や『GIジョー』の精悍なイメージがなかったんですね。
元メンバーの故・小林まさひろは、学園ドラマ「ただいま放課後」で知りました。森田芳光監督の『の・ようなもの』の出演者の中で、落語家役がいちばんハマっていました。
そうそう、物真似といえば、フジテレビの「とび出せものまね大作戦」の素人ものまねも好きでした。司会のあのねのねの出場者イジりも絶妙で、中でも黒い奥様的に衝撃を受けた物真似を。
「高倉健」
みんなから「健さん!」と呼ばれて高倉健の顔真似で振り返る、いわゆる「顔芸」なんですけど、これがまたヤケに面白かった。何度も「健さん!」で振り返り、最後に「サザエさん!」と呼ばれてズッコけてました。
「はにわ」
手で瞼を広げて、口を丸く開ける。いたってシンプル。
「スキー場のリフト」
足を直角に曲げ、片腕を挙げて手首から先を鶴のように曲げてワイヤーの引っかけにする。もう片方の腕は、肘掛けのようにする。それで動く。なんかこれがすごく面白かったわけで。
「『ウルトラセブン』のキリヤマ隊長」
振り返って「何っ!」って言う、ただそれだけ。
「和田アキ子大集合」
和田アキ子の物真似をやる複数の出場者が、和田アキ子本人の前で『笑って許して』を熱唱するやつ。今思えば、あの当時でさえも常軌を逸した誇張モノマネで、歌は全て「は行」で事足りているのですから。後に「コサキン・天海の超発掘!ものまねバラエティー マネもの」でX-GUN西尾がやった「レコードの中の和田アキ子」は、逆手に取った視点で秀逸です。
他にも好きだったのは、「TVジョッキー日曜大行進」のコーナー「ザ・チャレンジ」に出ていた「青山一浪・二浪」。このコンビがやった小林完吾・日本テレビアナウンサーの物真似がきっかけで、のちに小林完吾ご本人が大ブレイクしました。ちなみに、このコンビの一人が、大阪・読売テレビの局アナでフリーで活動されている森たけしさんなのですよ、ええ。
よく、漫才ではダウンタウン以前・以後、とよく言われますけど、ものまねタレントだと、黒い奥様的にはダントツで松村邦洋! ビートたけしの物真似を最初に聞いたときは衝撃でした。物真似をする人物への取材力の高さと卓越した観察眼、そして尋常じゃない記憶力からくる物真似は、のちの物真似タレントにも影響を及ぼしていますね。
おやっ、何かツラリツラリとくだらないことを綴っている間に、こんなご時世、あらいやだ。アタクシのモットーである「映画のある美しい暮らし」をもっと世に広めなくては。
とりあえず、またまたアップしていきます。]]>
雑記
2022-02-23T06:18:21+09:00
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